今年から始まったチャレンジ25キャンペーン
ノーネクタイ、ノーセビロで過ごすクールビズの季節がやってきました。ところで、皆さんは、チャレンジ25キャンペーンという言葉を聞いたことがありますか。環境省が中心になって、CO2削減に向けた具体的な行動を提案し、その実践を広く国民に呼びかけている国民運動のことです。
なぜ、「25」という数字が付けられているかというと、自民党に代わった民主党政権は温暖化対策に熱心です。温室効果ガス(GHG=グリーン・ハウス・ガス)の排出量を2020年に90年比25%削減するという大目標を掲げています。25という数字は、この削減目標の数字をとったものです。
効果上げたクールビズ運動
実は環境省では、これに似たキャンペーンをすでに経験済みです。05年に温室効果ガスの排出量を12年末までに90年比で6%削減することを定めた京都議定書が発効しました。この目標を達成するために当時の小池百合子環境大臣が中心になって、「チーム・マイナス6%」という国民運動を展開しました。その目玉となったのがクールビズです。夏場はノーネクタイ、ノー背広の軽装で、職場の冷房温度を28℃に設定し、省エネを推進しようとする運動です。当時の小泉純一郎首相がノーネクタイの軽装で閣議を開くなど話題になったことを覚えておられる方も多いと思います。
385万世帯の1ヵ月分のCO2排出量削減の試算も
環境省の試算によると、クールビズで企業やオフィスが室内のエアコン設定温度を高めに設定した結果、CO2の削減量は、08年には年間で172万トンも削減できたと発表しています。これは約385万世帯の1か月分のCO2排出量に相当するそうです。
チャレンジ25キャンペーンは、このような過去の経験を引き継ぎ、さらに国民の省エネ活動を盛り上げようと、今年1月14日から始めたものです。
6つのプロジェクト、25のアクション
チャレンジ25は6つのプロジェクト、25のアクションから成り立っています。
6つのプロジェクトの内容は次の通りです。
第1がエコな生活スタイルを選択しよう
第2が省エネ製品を選択しよう
第3が自然を利用したエネルギーを選択しよう
第4がビル・住宅のエコ化を選択しよう
第5がCO2削減につながる取り組みを応援しよう
第6が地域で取り組む温暖化防止活動に参加しよう
エコな生活スタイルのための9つの提案
この6つのプロジェクトについてそれぞれ具体的なアクションが提案されています。
たとえば、第1の「エコな生活スタイルを選択しよう」、というプロジェクトでは、@夏は冷房の温度を28℃に、冬は暖房の温度を20℃に設定しよう、A出かける際は、バスや電車、自転車などの環境に優しい交通機関を利用しよう、B照明やOA機器等のスイッチオフを心がけよう、Cマイバッグ、マイボトルを持ち歩こうなど9項目のアクションが具体的に提案されています。
これを実行することで、確かにエコなライフスタイルが定着しそうです。
しかし、プロジェクト2の「省エネ製品を選択しよう」のアクション項目をみると、果たしてこの書き方でいいのかな、といった疑問が生じるようなアクションが提案されています。たとえば、次の提案です。
古い冷蔵庫、エアコン、テレビを省エネタイプに買い替えよう
先日、高齢者を対象にした講演会で、この項目を紹介したところ反論が続出しました。
「まだ使えるのに、もったいない、私は反対だ」という声が目立ちました。「製品の寿命がきて、使えなくなった時、と留保条件を付けるべきだ」、「家電メーカーに踊らされているのではないか」などなど。
インターネットでチャレンジ25を検索すると、簡単にwebサイトが見つかります。
ここで6つプロジェクト、25のアクションをじっくり読むと新しいビジネスチャンスのヒントがみつかるように思います。ぜひ挑戦してみてください。
http://www.challenge25.go.jp/index.html
2010年6月24日記