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<講義内容> 1. 気候変動と損害保険 損害保険会社が環境保全に取り組む理由の一つに大規模自然災害の増加傾向がある。アメリカでは、大規模自然災害の増加による保険金支払いの急増により、一般市民は保険が手にはいるかどうか、それほど高くない値段で買えるかどうかの二点で厳しい立場に置かれている。 2. CSRと社会的責任投資 企業の社会的責任(CSR)は「責任ある行動がビジネスの持続的な成功をもたらすとの観点から、企業が事業活動やステイクホルダーとの交流の中に、自主的に社会や環境への配慮を組み込むこと」(欧州委員会)である。 また、「社会的責任投資」(SRI)は、「投資を行う際、財務面だけでなく“環境”や“社会への対応”等も考慮して投資先を決定する投資手法」である。SRIインデックス(環境や社会的責任を果たしている企業の株式指数)として代表的なのがDJSIである。損保ジャパンもこれに組み入れられており、これにより投資を呼び込んでいるといえる。 損保ジャパンで、エコファンド「ぶなの森」を企画し販売したとき、社内では日本では売れないのではないかという見方が大勢だったが、予想以上に関心が高まり多くの人が購入してくれ、良い意味で予想が外れる結果となった。 3. グローバルなCSRの動向 ネスレ・フィリピンは、ビジネス・パートナーに環境法令の遵守を要求する取り組みを行っている。小売業のマークス&スペンサーは、持続可能な漁業を目指してWWFと共同で円卓会議を行い、木材に関して違法伐採や児童の違法労働がないか調べる取り組みも行った。 最近ではISOによって、CSRに関する国際規格がつくられようとしている。私もこの作成のための委員として国際会議に出世している。全ての組織に浸透させることができるガイドをめざしている。作成のプロセスから様々なセクターの人に入ってもらっていることが特徴である。 4. 損保ジャパンの取り組み お客様満足と従業員満足を好循環させることで、損保ジャパンの企業価値が大きくなっていく。CSRは結局人に帰着する。また、「木を植えるよりも木を植える人を育てよう」をモットーにNPOに大学生・院生をインターンとして派遣する制度を行っている。 当社のCSRレポートはCSRコミュニケーションレポートと名付けている。それは、発行した後、レポートを活用して初めて意味があるからだ。 5. 最後に CSRというと、「責任」のように受け身的なニュアンスが出てきてしまうが、成長の「機会」になるととらえるべきである。 <質疑応答> 英国のNGO(IIED)を高く評価していることに関する質問、さらに損保会社として気候変動に対しどのような戦略をとるかに関する質問が出された。 (この講義録は当日の講義内容をもとに京都大学地球環境学舎で作成したものであり、講演者の確認を得たものではありません。)
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