京都大学2005年度特別公開講座(全学共通科目:環境政策論IB)
環境を考える経済人の会21(B-LIFE21)
「地球環境―企業と市民社会の対話と協力―」
第8回 『イオンの社会貢献活動 』

講師:岡田 卓也氏(イオン株式会社 名誉会長相談役)
日時:2005.12.8


<講義内容>

イオンの環境活動に関するビデオ

イオン1%クラブでは、グループ優良企業各社が税引き前利益の1%を拠出し、「環境保全」「国際的な文化・人材交流」「地域の文化・社会の振興」を柱に事業を行っている。主な活動は「小さな大使事業」や「ドイツに学ぶエコライフツアー」、「エコロジーミュージカル講演」など。

2004年9月、国連グローバルコンパクトへの参加を日本の小売業として初めて表明。

イオン環境財団では、「万里の長城・森の再生プロジェクト」や長野県「森林の里親」植樹、「知床森の再生植樹」など様々な活動を行い、環境NGOにも助成を行う。

講演

1. 戦争経験と経営理念

昭和20年、戦争が終わると家業の岡田屋呉服店の社長に就任しました。そのとき「焦土に開く」と題して、小さなチラシを配りました。お客様はそのチラシをみてやっと戦争が終わった、と実感されたようです。そこから、小売業が繁栄していることが平和ということだと考えました。

我が家業の岡田屋呉服店に戦争を経て残ったものが一つあります。それはのれん、つまり信用です。また、戦前からの家訓として「大黒柱に車をつける」というのがあります。世の中の変化で繁華街がかわるたびに店舗を移動しました。「上げにもうけるな、下げにもうけろ」というのも家訓です。

2. ジャスコの社会貢献活動

はじめの社会貢献活動はジャスコが順調に成長させて頂いたときです。郷土に恩返しをしたいと考え、美術館の建設をバックアップしました。交通事故の遺児のために奨学金もつくりました。

ジャスコ20周年記念に何をすべきか考えていた頃、度々アメリカのミネアポリスに行っていました。社会貢献活動の盛んなところで3%クラブ、5%クラブなどの活動を有力企業が実施していることに感銘を受けました。日本では税制もあって5%というわけにはいかず、1%クラブをつくりました。

3. イオン環境財団の設立

21世紀の大問題は南北問題であり、その中でも重要なのは環境です。そのように考えてイオン環境財団を作りました。

まず、鎮守の森の減少という指摘を受け、現代のショッピングセンターがその代わりになれないかということで、マレーシアを最初として店舗の敷地内に木を植えることにしました。小売業の最大の特徴は毎日、何万人ものお客様に対して情報を発信できることです。また敷地内だけでなく、国内、海外にも植林しています。

他にも地雷被害者のために、1%クラブからカンボジアで義足を作る施設に寄付をしています。また、ポル・ポト政権期の知識人虐殺の結果、カンボジアにようやく平和が来たとき一番失われていたものは教育です。そこで1%募金で学校を作ったらどうかと考えました。2年間店頭で呼びかけて、149校カンボジアに小学校を作りました。次はネパール、今はラオスです。

<質疑応答>

会場からは、社名の由来や植林の木の種類についての質問が出た。

(この講義録は当日の講義内容をもとに京都大学地球環境学舎で作成したものであり、講演者の確認を得たものではありません。)

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