京都大学2005年度特別公開講座(全学共通科目:環境政策論IB)
環境を考える経済人の会21(B-LIFE21)
「地球環境―企業と市民社会の対話と協力―」
第2回 「化石燃料と環境−持続可能な発展に向けて−」

講師:岡部敬一郎(コスモ石油株式会社代表取締役会長)
日時:2005.10.13


<講義内容>

1 原油の性質
 原油はイメージされるように液体で取りやすい状態というわけではなく、岩にしみこんでいるもの。掘っても自噴圧では5-15%くらいの量しか噴出しない。そこで、ガスや水を注入すると、油を押し出すことになる。それで3割くらいを採集できる。5割以上は地中にねむったまま。原始埋蔵量は発見された油層の中にある油の総量のこと。今の技術と経済性で回収可能な量を可採埋蔵量という。原始埋蔵量はある程度あるけれども、可採埋蔵量は半分以下。可採埋蔵量の一種、確認埋蔵量を年間生産量で割った可採年数は技術開発により延びてきた。

2 エネルギー
 一次エネルギーの構成は、日本はかつて八割が石油。しかし二回の石油ショックにより、脱中東、脱石油の政策を掲げてきた。脱石油の方はある程度実現したが、中東への依存はむしろ高まった。エネルギーの自給率については原子力を国産と数えると二割が国産。中東諸国は石油ショックの時とは異なり、発展し、世界経済に組み込まれている。OPECも安定供給に努めている。中東からの石油については価格の安定性、経済性、中東諸国をどう見るかや、中東諸国に対する資源外交も重要。去年の原油高騰ついては、需給バランスは悪くなく、枯渇はしていない。高騰の理由については、年金の運用資産が市場に入ってきていること、ヘッジファンドが石油に目をつけていること、米国や中国の需要増があり、しばらくは続くだろう。

3 温暖化
 1万年前には氷河が溶けて海面が120メートルほど上昇し20世紀よりも平均気温が高かったとも言われる。しかし1947年からの気温の上昇は温室効果ガスの影響というのは確実なので取り組みは必要。コスモでは、「ゼロフレア」といって油田で出てくるガスをもう一度地下に戻す仕組みや、コスモ・ザ・カード「エコ」などのとりくみがある。

4 学生諸君へ
 世の中は変化しているので、受け身で変化に対応する臨機応変ではなく、ピンチをチャンスにし、チャンスをつかむ活気応変が重要。コミュニケーションも重要。

(この講義録は当日の講義内容をもとに京都大学地球環境学舎で作成したものであり、講演者の確認を得たものではありません。)

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