1〜3月に5万円割れも、年後半に最高値更新か
▽年末は高市トレードで株価上昇
「ネット株手帳〜石橋をたたいて渡る」(海象社)の購読者を対象に、年数回株価見通しを公開しています。当たることもあれば、外れることもあります。なぜ当たったのか、なぜ外れたかを本書の購読者が自分なりに考え、分析し、今後のネット株投資の参考にしていただければ幸いです。
実は本書(2026年版)発売直前の昨年10月半ば、年末の株価見通しを公開しました。タイトルは「5万円越えはちょっと無理か」でした。実際はどうだったか。10月27日(月)に史上初めて5万円台に乗せ、同月31日(金)には終値ベースで5万2411円まで上昇し史上最高値を更新しました。その後、株価は下げに転じましたが、12月30日(火)の大納会大引けの日経平均は、前日比187円安の5万0339円。続落にも関わらず、5万円台をキープし、筆者の予想は外れてしまいました。
最大の理由は高市早苗新首相の登場です。アベノミクス(安倍首相の景気対策)に見習った積極財政、低金利政策が市場関係者から好意的に受け取られたことです。この結果、「株高、円安、国債売り(長期金利上昇)」の高市トレードが動き出し、5万円台をあっさり上回ってしまいました。
株価は一寸先が闇です。何が起こるかわかりません。
さて、今年の株価はどう動くでしょうか。
日経平均は昨年1年間で1万円強上昇しました。通常なら、年間の上昇幅が5千円を超えれば万万歳ですが、昨年はその2倍もの上昇だったためどこかで調整が必要になります。
日本経済新聞は毎年元旦(1月1日)の朝刊で、主要企業の経営者20人にその年の
株価見通しを聞いています。26年については20人の経営者全員が年後半(10〜12月)に、昨年10月末に付けた史上最高値を更新すると答えています。高値予想の平均は5万7350円。6万円越えを予想する経営者も数人いました。逆に安値の予想は1〜3月頃、5万円を割り込むとの見方が多数派でした。現状を踏まえれば、妥当な見通しだと思います。
▽1〜3月頃に調整、5万円割れも、5〜6月頃回復へ
以上を念頭において、上半期の株価の動きを展望してみましょう。
米経済は関税引き上げの影響で輸入価格が上昇、個人消費支出の低迷が懸念されます。米国のGDPに占める個人消費比率は日欧より10%以上も高く、67%前後なので景気に与える影響は深刻です。
日本も円安で輸入物価が上昇し、今年の実質経済成長率は1%に届きません。
さらに今月末に日米中央銀行の政策決定会合が予定されています。市場では政策金利を日本0.25%引上げ、米国0.25%の引き下げを見込んでいます。結果次第で株価にも影響しそうです。
昨年11月中旬、国会での「台湾有事」に関連する高市発言に対し、中国が激しく反発し、両国関係は悪化の一途をたどっています。経済への影響も大きく、今年前半にかけてさらに緊張は高まりそうです。ウクライナ戦争の行方も世界経済の暗雲となっています。
米国ではクリスマス商戦のある10〜12月に株価は上昇し、1〜3月は閑散期で株価が低迷するという季節性があります。日本にもこの傾向が見られます。
新年5日の大発会の終値は先月30日の大納会比1493円高の5万1832円でした。上げ幅としては過去8番目の大きさです。ご祝儀相場とはいえ、3日にはトランプ米大統領の命令で米軍がベネズエラの首都を攻撃し、大統領を拘束するという異常事態が発生したばかりです。それにもかかわらず、東京市場への影響はほとんど見られなかったのは不思議な気がします。
ご祝儀相場がはげ落ちる今月中下旬以降、株価にマイナスの要因、例えば政府による円買い市場介入とか、日中経済関係を悪化させる何か異変が起こるようなら、それが株価下落の引き金になり、一気に調整が進むかもしれません。
米軍のベネズエラ攻撃の今後の影響や日中経済関係の悪化を背景に、昨年の急激な株高調整は、1月中下旬頃から4月初め頃まで続くとみられます。せっかく5万1000円台に乗せた株価ですが、5万円を割り込み、4万8000円前後で推移する公算が大きいと思われます。
3月期決算で、好調な企業業績が確認され、新年度予算の実施を見届けた後、4月中下旬頃から、株価は回復に向かい、5、6月頃には再び5万円台を回復する相場展開が予想されます。
なお、年後半の株価見通しは、6月頃あらためて公開したいと思います。
三橋規宏(2026年1月8日記)