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今年の株価展望〜バブル期の最高値更新へ期待

  • 辰巳天井(たつみてんじょう)

相場格言に「辰巳天井」があります。縁起担ぎが好きな投資家がどの干支の年に株価が上るか、下がるかをあれやこれや検証すると、「辰年とヘビ年に天井を付ける」割合が高いとのことのようで、縁起の良い年とされています。

今年はその縁起の良い辰年に当たります。

今年の株価はどうなるでしょうか。日経平均株価が戦後の最高値を付けたのが、今から35年前、バブル最盛期の1989年12月の大納会。終値は3万8915円。だが90年代前半にバブルが弾けると株価は暴落。リーマンショック後の2009年3月にはバブル後最安値、7054円まで下落しました。最高値の5分の1以下にまで低下してしまいました。その後長い間、

低迷を続けてきましたが、コロナ禍を克服した昨年(2023年)頃から上昇機運に乘ってきました(手帳・予備知識、日経平均推移参照)。23年7月3日の終値は3万3753円、バブル崩壊後33年振りの最高値を付けました。その後も取引時間中に瞬間的ですが、最高値を上回るケースが数回ありました。

  • 史上最高値更新期待

 日本経済新聞2024年1月1日付朝刊に恒例の「経営者が占う2024年」が掲載されました。主要企業の経営者20人に今年の株価見通しを聞いたところ、半数が「史上最高値の3万8915円を超える」と回答しています。達成時期については12月を中心に今年後半、9~12月頃としています。多くの経営者が今年の相場に強気の予想をしていることが分かります。

ただし、強気の相場見通しが当たるためにはいくつかの幸運が重なる必要があります。その幸運とは大きく3つにまとめることができます。一つはアメリカの株価・景気動向、二つ目は日本の金融政策の正常化の動き、三つ目が海外要因。経済的には特に中国経済と原油価格の動向、さらにウクライナ戦争やパレスチナ・イスラエル紛争などの地政学的要因や気候変動に伴う自然災害などです。

  • 米国、政策金利引き下げ、ダウ4万ドル突破へ期待高まる

昨年の米株価、特にNYダウは好調でした。12月には史上最高値を7回も更新、月末28日(木)の終値は3万7710ドルでした。年間ベースでは4542ドルも上昇しました。FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレ対策として一昨年7回、昨年4回、合わせて11回も政策金利を引き上げ、金利水準は5.25~5.50%に達しています。今年はインフレも鈍化し、景気をソフトランでイングさせるため、春ごろから政策金利の引き下げに踏み切ると見られています。どの程度引き下げるかは物価や景気動向をみて判断することになりますが、このシナリオで進めば、今年はダウが4万ドルを超え、史上最高値を大きく更新すると投資家は期待しているようです。ダウの史上最高値更新は日経平均上昇の最大の追い風です。

  • 超金融緩和是正、金利のある世界へ復帰

植田和男新日銀総裁の最大の課題は前日銀総裁時代に実施された量的、質的超金融緩和政策修正への取り組みです。緊急を要するのは質的手段の金利政策です。この分野では大きく分けて二つあります。一つは長短金利操作(YCC=イールドカーブ・コントロール)の修正ないし廃止、もう一つは短期の政策金利マイナス0.1%の廃止です。このうち、YCCの修正については、10月の日銀政策決定会合で長期金利(10年物国債金利)の上限を1%超まで認めるなど修正への瀬踏みが見られます。一方、マイナス金利の是正については、春闘による賃上げを確認し、賃上げをともなう物価上昇2%が見込めるようなら、マイナス金利の解除に踏み切るでしょう。春頃には決断の時期がきそうです。異次元の超金融緩和を卒業し、金利のある世界に戻ることが、経済活動の円滑化に寄与することは言うまでもありません。

▽不気味な海外要因、中国経済の回復に期待

海外要因は複雑怪奇で、何が起こるか分かりません。ウクライナ戦争、パレスチナをめぐるイスラエルとハマスの紛争など今年も目が離せません。深刻な不動産不況に苦しむ中国経済の早期回復、原油価格の安定などが期待されます。海外要因については常時新聞、テレビ、SNSなどで情報をキャッチ、機敏な対応が求められます。

 

▽番外編、新NISA制度対策

最後に番外編として、新NISA制度に触れておきます。

「ネット株手帳2024」は、新NISAのうち、「成長投資枠」を対象にしています。旧NISAと比べ、年間240万円、最大保有額1200万円に拡充されました。

どのような銘柄を選んだらよいでしょうか。

一般論でいえば、株価が安く、変動率が安定しており、配当金が高い銘柄です。と=いっても多くの銘柄の中から、選ぶのですから簡単ではありません。この点について、筆者の見解は次の通りですが、あくまで投資は自己責任、参考意見としてご理解ください。

  • かつて政府機関だったが、現在は民営化しているが、政府の影響力か残っている銘柄、たとえば郵政3社(日本郵政、ゆうちょ銀、かんぽ生命)、JT、NTTなど
  • 配当金(配当率)が高い銘柄、メガバンク、商社、医薬メーカーの一部など
  • 最近、新NISA対策として、株式分割し、一株当たりの株価を引き下げた銘柄。こまで株価が高過ぎて、零細な個人投資家に手が出なかった銘柄の価格が分割によって3分の1~5分の1に引き下げられました。今年1月1日から分割した銘柄も複数あります。今後も分割に踏み切る銘柄が増えそうです。これらの銘柄は総じて、財務内容がしっかりし株価が安定しているところが多いようです。

(2024年1月8日記)

作成者: tadahiro mitsuhashi

三橋規宏 経済・環境ジャーナリスト 千葉商科大学名誉教授 1964年、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、論説副主幹などを経て、2000年4月千葉商科大学政策情報学部教授。2010年4月から名誉教授、専門は経済学、環境経済学、環境経営学。主な著書に「新・日本経済入門」(編著、日本経済新聞出版社)、「グリーン・リカバリー」(同)、「環境経済入門4版」(日経文庫)「サステナビリティ経営」(講談社)、「環境再生と日本経済」(岩波新書)、「日本経済復活、最後のチャンス」(朝日新書)など多数。中央環境審議会委員、環境を考える経済人の会21(B-LIFE21)事務局長など歴任。

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